速報と戦った人たち

 第19回ろう教育を考える全国討論集会in埼玉で評判が良かった速報。それは実行委員会・スタッフのドラマがあった。そして速報に託したメッセージとは―。

速報の運命

2007年3月
埼玉県聴覚障害者協会文化部パソコン研究会代表のヒロからメールが流れた。

「ろう教育を考える全国討論集会埼玉実行委員会から速報依頼が来た。」

 パソコン研究会が結成されてから、大会では速報担当を任される。大会をゆっくり過ごしていない・・・。スタッフの中で遅くまで作業をしなければいけない・・・。我らパソコン研究会メンバーはこのような運命になってしまっている。
 後日、パソコン研究会定例会を行った。速報依頼について話し合ったところ、速報担当を断ろうかという話しが出て、今回は断って他のスタッフになろうと実行委員会に報告することにした。
 すぐに断りのメールを出そうとしたとき、高橋実行委員長からメールが届いた。

「ぜひ埼玉集会の速報担当をお願いします。信頼できるのは君たちだけです。」

もう何も言う術がなかった。

 5月、パソコン研究会定例会が開催された。集会速報についての議題で話し合いを行った。速報の在り方、疑問、作成方法など話し合った。

 「ある大会でホテルに速報が捨てられていたよ。」
 「頑張って作っても読んでくれる人はわずかだろ。」
 「適当に作成しちゃえばいいんじゃないか?」

 今までの大会や経験から、速報は「悲しき運命」になってしまっている。

「今こそ!鎖を絶ち切らなければ!」

 速報を読んでくれる!ゴミ箱行きでも良い。速報の存在を集会で証明させてやる!と新たな試みをやろうと立ち上がった。しかしなかなか良い案が出てこなかった。7月の実行委員会主催のスタッフ説明会になっても案が出てこなかった。
 集会スタッフで実行委員会の速報委員である井上氏から説明を頂いた。速報を読んでもらいたい。持って帰ってくれるような速報にしたいのでアンケートなど工夫が必要と気持ちを話してくれた。井上氏も私たちも共感した。
 スタッフ説明会が終わった後になっても案が出てこない。8月6日に速報スタッフ会議が開催されることになっている。案は無いか・・・だめか・・・とタイムリミットが一週間に迫ってきた。放心状態になっていた時、研究会員のトシからメールが来た。

メールタイトルは「速報案」だった。

次へ